今日のテーマはNFTです。NFTについて学んでいることを整理します。
NFTのすごいところ、魅力とは?
・デジタルデータが唯一無二の一点ものであることを証明できる
経済学では、貨幣のように容易に交換可能な単位を持つものを「ファンジブルアセット (Fungible Asset)」と呼びます。例えば貨幣の場合、私の持っている一万円札を別の人が持っている一万円札とと交換しても、同じ価値になります。
同じ一万円札で価値は同じ、二つの一万円紙幣には何も違いがないからです。これがFungibleという状態です。
しかし、Fungibleでない場合、これは不可能です。それは、他の何かと交換できない独自の特性を持っていることを意味します。例えばモナリザのような一点ものの絵を思い浮かべるといいです。
世界にモナ・リザの絵の本物は一点しかありません。絵の写真を撮ったり、プリントを買ったりすることはできますが、オリジナルの絵は一枚しかありません。
アナログ資産なら本人が本当に物理的に描いたものの有無で証明できるのですが(非常に精巧な贋作はありますけどね)、デジタル資産の場合は簡単にコピーすることができてしまいます。ネット上の画像を簡単にだれでもコピーして保有することができてしまいますよね。
デジタルデータにアート作品のような唯一無二性を持たせるのはこれまでは不可能でした。 しかしNFTという仕組みを使えばデジタルデータのような形を持たないものがデジタル世界の「一点もの」の資産となります。
TwitterのCEOであるJack Dorsey氏のツイートに3億円もの値段が付くのは、この唯一無二性があるからです。ツイートなんて誰でも見れるじゃん、って思いますよね。でも違うんですよ。
これはNFTなので、このツイートをNFT化したもの、これはデジタルトークンなんですね。見ることは誰でもできる、でも所有者であることを証明できる人はこのトークンの保有者一人だけ、ということです。
TwitterのドーシーCEOの初ツイートNFT、3億円超で落札 全額寄付
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2103/23/news059.html
引用元: IT media NEWS
更に深堀: ブロックチェーンが可能にする二次流通からのマネタイズがすごい
NFTは仮想通貨と同様に売買することもできます。NFTでは、アート作品を「トークン化」して、所有権を示すデジタル証明書を作成する為、それを売買することができます。
誰が何を所有しているかの記録は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳に保存されます。この記録は、世界中の何千台ものコンピューターによって管理されているため、改ざんすることはできません。なので、仮にぼくが話題のCryptoPunksを勝手にコピーすることはできても(画像そのものはコピーできます)、ぼくは購入していないのでその記録証明ができないのです。
この時点でも十分すごいのですが、おそらくNFTのもたらす価値はこんなものではないと思います。現時点では明らかにされていないような使い方、価値の出し方が実はスマートコンタクトに仕組まれているのではないかと想像します…それが何かはぼくにはわかりませんが。
わかりやすい事例としてはNFTを所有している人だけにエアドロップ(仮想通貨界でしばしば使われる、トークンを無料配布する仕組み)で別のトークンが配布されるという事例が実際に多々あります。
でもこのようなエアドロップは簡単です。まだまだいくらでも工夫のしようがあるので(NFTを持っている人だけを特別招待できるデジタル空間を作る、など)これからまだまだアーティストによる想像もしなかったイベントが出てくるんでしょう。
さて、僕がNFTに関して最もすごいと個人的に思ったところは、NFTにはスマートコントラクトが含まれているので、例えば将来的にそのNFTが二次流通された場合でも、アーティストに一定の利益を配分することができるという点です。
これ、めちゃくちゃ革命的だと思いませんか? NFTの取引所として一番有名なものはOpenSeaですが、OpenSeaでは最大で10%までアーティストが二次流通による販売から収益を得ることができる仕組みになっています。
ブックオフで中古の本を買ったり、ゲオやツタヤで中古CD・DVDを買った時を想像してみましょう。我々ユーザー側は同じものなら安く買える方がメリットがあるので(多少の状態の悪さや傷・汚れはあると覚悟した上で、ですが)けっこう人気がありますよね。
では中古の本やCD/DVDが売れた時にアーティスト(著者、作詞・作曲者、歌手)にお金は入っくるでしょうか?残念ながら入ってこないんですね。人気のある作品ほど二次流通でも多く出回りますが、アーティストに収入が入ってくるのはあくまで新品の売買(一次流通)のみで、二次流通からの収入はないのです。
それでも二次流通で知名度が上がれば次に一時流通に入ってきてくれる可能性があるから、と言って二次流通を歓迎するアーティストの方もいますが、二次流通でものすごい回転しているにもかかわらず一切お金が入ってこないことを内心よく思わないアーティストも沢山いることでしょう。
僕も二次流通品は買いますが、このなかの一部は販売者がアーティストに払う仕組みを作ればいいのになあとよく思います。それゆえに、NFTが二次流通からアーティストにロイヤリティが入る仕組みを作ったことは本当に革命的だと僕は思います!
例えばどんなものが高値で売れている?
NFTの最高値となったのがBeepleのEverydaysという作品で、 約6,935万ドル(=約75億円) です。一般メディアもたくさん取り上げていたので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
クリスティーズのオンラインセールにて落札されました。この数字は、現存アーティストのオークション記録第3位、デジタルアート作品としては過去最高額だそうです。オンラインオークションでの過去最高額にもなったそうです。
この作品、5,000枚の写真を一枚ずつ張ってアートにしたものらしいです。数千日かけて5,000枚を作ったということですから、かなりの時間を費やしているものと言えます。画像を貼っただけと言えばそうですが、数千日という時間の積み重ねはすごいですよね。
ただ、そもそもBeepleさんの本名はMichael Joseph Winkelmannといってデジタルアート、グラフィックデザイン等を手掛けて活動しているアーティストなので、無名の人間が突然自分のフォルダに入っている写真を無造作にペタペタして売ったとしても、同じように高値で売れるというものではないことは理解しておきましょう。当たり前の話ですが…。
他に有名なもので言うと人気という点ではCryptoPunksが今は圧倒的一位なんじゃないでしょうか。世界で1万点限定のシリーズNFT(こういう点数限定のシリーズものもコレクター魂に火をつけそうですよね!)で、日本ではイケハヤさんが購入し、マナブさんなど数名の方が購入されているようです。
公表していないだけで持っている人もいるとは思いますが、最低価格が3000万とかですから、庶民には手が出せるものではないですね…。スーパーカーが買える値段、家が買える値段ですよ。
まとめ:NFTのすごいところ、魅力とは
というわけでまとめると、NFTのすごいところ・魅力というのは、デジタルデータが唯一無二の一点ものであることを証明できることにより、これまで無限にコピー可能だったデジタルデータの可能性を拡げたこと、そして二次流通からアーティストにロイヤリティが入る仕組みがあるということです。
そしてこれは確かなことは言えませんが、現時点では明らかにされていないような使い方、価値の出し方が実はスマートコンタクトに仕組まれていると想像すると、なんかワクワクしませんか。僕もOpenSeaで安いNFTは買ってみましたが(1円もしないような安いNFTがゴロゴロありますよ)、今度真剣に自分のアイコンにできるようなNFTの購入を検討してみたいと思います。
NFTのもっと初期に大人気だったCryptoKittiesとかはイラスト的にも可愛くて、ああいう感じだったら持ってもいいかなあ…と少し思っています。NFTをバブルだという人もいますが(確かに8月あたりはプチバブルだったかもしれませんが)、NFTははきっとまだまだ発展していくと思うので、今後も学んでいきたいと思います!
Cuk
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